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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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顔筋体操やフェイシャルヨガ③前フリ

お待たせしました。

顔筋体操・フェイシャルヨガの話です。

ですが、その前に、ちょっと前フリです。

話が長くなりそうなので、先に、フッておきます。

 

かな~り前の話ですが、患者さんから処置中に聞かれましたが、患者さんのお母様が、舌で、歯茎に沿って、動かす顔筋体操をされていたそうです。

(唇と歯の間の隙間のところを、舌で、ぐる~っと回す運動です。

よく、お笑いのシルクさんが、口周りのシワがなくなる、と言って、TVや雑誌で昔やってましたよね。今もしているのか知りませんが。。。

ちなみに、そんなことで、シワがなくなるかっ!と私はもちろん思っていますし、うちの患者さんには勧めていません。やっている、とおっしゃったら、止めてください、と止めてもらっています。

そんなにやりたいなら、好きなだけやったらいいですが、(私が困るわけでなし)、タイタンやジェネシスやボトックス・ヒアルロン酸などで、シワの治療をうちで受けておられる方が、そういうことを止めるように言っているのに、止めない方は、うちでの治療をお断りしています。

医学的に根拠のない、巷の情報を信じて、指示に従っていただけない方の治療は、せっかくの医療の効果の妨げをされるので、理解しておられないと判断して、お断りしています。)

 

「この体操はいいんですか?」と聞かれ、もちろん、私が勧めているわけではないですから私に聞かれても、一体何にいいのか、さっぱりわかりませんが、

「何の目的で、その体操をお母様はされているんですか?」と逆にお聞きしたら、わかりません、とのことでした。

どんな番組で、誰が勧めていたのか、それもご存知ないそうで、とにかく、家に帰ったら、お母様がされているので、詳細をお母様に聞いても、とにかくTVでいいって言っていたから、という感じだったようです。

 

化粧品でも、スキンケアの方法でも、美容医療でも薬でもサプリでもなんでもそうですが、まず、何のためのやるのか?目的が大事なわけです。

目的によって、やったほうがいいのか、止めておくほうがいいのか、なんでも二面性がありますから、立場が変われば、意見も変わるわけです。

次に、誰が言っているのか?

(どなたが言っているのか、も大事ですが、番組にもよります。

例えば、「ためしてガッテン!」だと、毎回全部を観ているわけではないですが、各分野の(医療に関しては)学会で有名な方を呼ばれて、意見を参考にされて番組が構成冴えているように思います。

学会で有名、というのも、もちろんいい意味での有名で、大勢の関係者が、あの先生なら、とうなづけるような方を呼んできていらっしゃるかと思います。

ふざけていて、根拠もないのに、インパクトだけド~ンとあって、視聴率目的しかないのか?!というような意見は、そう取り上げてはいらっしゃらないように思って観ています。

なので、「ガッテン!」に出ていらっしゃると、この先生は有名なエライ先生なんだろうな~、と思ってしまう節もあり、ちょっと洗脳されてますか?

私は皮膚科医ですが、今は、専門がどんどん分かれていて、学生の時に習ったことは、もう全然古くなっていて、医学の進歩は凄まじいものがあります。

内科や外科、皮膚科以外のことは、もう全然わからないし、皮膚科のことにしたって、最新の医療(病気のほうのね)なんか、もう全然わかりません。

皮膚科学会に行っても、美容医療(に関する)セクションを聞いていたら、皮膚の悪性腫瘍やアトピーのこととか聴けません。聴ける時間があっても、企業セミナーや展示を観に行ったりしていますから、自分と直接関係のない専門分野までは、もう勉強している時間がありません。

ちょっとした学会誌やセミナーのついでに、小耳にはさんで、ほー、今はそうなのか。。と勉強をちょっとするくらいです。

なので、皮膚科以外になると、もっとわかりませんが、それでも、「ガッテン!」に出て来られる先生方のお話しは、とてもわかりやすく、タメになるし、なるほど!と合点のいく話で、さすが、ガッテン!と思っちゃいます。

民放の番組だと、もっともらしく放送されていても、特殊な場合の話だったり、そういうこともあるだろう、という話だったり、「ホンマか~?!」と疑って調べた方がいいな、と思ってしまうことから比べると、雲泥の差かな、と思います。

当たり触りのないことなら、ドクターであれば、ネットでちょっと調べたら、適当になんか言えるのかもしれませんが、やはりそこは、その分野の第一線のドクターがおっしゃっているのとでは、中身の厚さが全然違います。

適当なコメントの、なんと薄っぺらいことか・・・・。

最近は、そういうちゃんとしたドクターと、医師免許のあるタレントさんとが、同じ番組内で、同じようにコメントを言ったりする番組があるので、視聴者の方からしたら、かなりややこしいし、何を信じていいのかわかりませんよね。もっともらしく作ってあったりしますしね。

 

え~っと、なんの話でしたっけ。。。?

そうそう、誰が言っているのか?

それを勧めているのは、美容医療専門のドクターですか?

それとも、メイクアップアーティストの方?オカマさん? 自称、美道家という方?(この、美道家って、一体、何なんでしょうね。。。)、ビューティアドバイザーとかいう方? 歯医者さん?ドクター?ドクターでも、どこの誰?何が専門?ホントに専門?ちゃんと医者やってる?などなど。。

一体、誰が言っているんですか?

それで何を根拠に言っているわけ?信じられるの?

ひとつの意見として、情報として、聞いておくのはいいですが、どうして、TVで言っていた、というだけで、そのまま信じますかね。

信じて、勝手にやっておいて、効果が出なかったり、副作用が出たりして、「信じてやったのに!!」と言ったところで、TVは、責任取ってくれないですよ。

調べもせずに、信じて、困るのは、貴女ですよ。

 

このブログでもよく出てくる、「よく噛む」という行為。

顔筋体操でもよく出てきますか?

まず、「よく噛む」ことの長所ですが、

①唾液もたくさん出て、噛むことで食物が細かくなるし、消化が良くなる→胃腸にはとてもいいです。

②早く満腹に感じやすい→ダイエットに役立つ

③アゴの骨や歯の発育にいいらしいですね。歯医者さんは、よく噛むことをとても勧められますね。

④脳の活性化に役立つらしいです。ボケ予防にもいい、と言われていたりしてますね。

⑤噛むことで、筋肉を使うので、血行が良くなる

あら、いいことだらけですね~。

 

では、欠点。

①エラ(咬筋)が大きくなる(筋トレしているわけですから)→顔がでかくなる・四角くなる

 

「よく噛む」ことは、とてもいいことです、特に、健康の面において。

私も、よく噛んで食べれば、それだけで、もうちょっと痩せるのに、と思います。

でも、お金を払って、エラボトックスをしに来ているのに、ガムを噛んだりスルメを噛んだり、というのは、勧めていません。

アンタが筋トレして、どうするっ?!(ボトックスで、動きを止めにいくわけですから)

食事で根菜類を食べるとか、食事中によく噛むのは、止めはしませんが、1口につき、30回噛むとか、100回(!)噛むとかしていると、そりゃ~、エラは、とっても大きくなると思いますよ。

もともと、エラの大き目の方は、年々、エラ、大きくなっていませんか?

それは、筋トレしている年数が長くなって、ますます鍛えられているから、エラの筋肉が大きく立派になっていっているです。

 

歯ぎしりの治療でも、ボトックスをすることがあります。

歯ぎしりするから、エラが大きく強くなるのか、エラが大きいから、歯ぎしりがきつくなるのか、鶏か卵か、みたいなもんですが。。。。

スポーツ選手の方で、奥歯を食いしばるのに、ボトックスすると、食いしばることができなくなるので、わざとやらない(食いしばりたいから)、とおっしゃる方もいらっしゃるので、好みは人それぞれです。

何をどうしたいのか。

それによって、「よく噛む」ですら、全然おススめ度が変わるわけです。

目的が違ったら、貴女の苦労は、水の泡どころか、逆効果なわけですよ。

 

最初の話に戻します。

舌をぐるぐる回して、歯茎のところを舐めて、一体、何をしたいのか?

それで、何の恩恵をあずかろうとしているのか、目的がはっきりしていて、しかも根拠があるなら、良いと思いますが、目的も根拠もなく、一生懸命やったって、意味ないどころか、逆効果かも?!

目的がわかっていないなら、はっきりわかるまで、やらないほうがいいです。

 

どっちにしても、そんなことで、その周辺の血行くらいは良くなるでしょうけど、シワが消えるわけでなし、舌で皮膚を伸ばすことになるから、鼻下、弛みますよ、意味がわからないなら、止めておかれたらどうですか?と、患者さんにはお答えしました。

(ちょっとやったくらいで、鼻下伸びませんけどね、こういうのって、みなさん、TV観ながら、何時間もやっていたりしますからね。なんでもやりすぎなんですよ。やればいいってものではないですよ、仮にとても良いことだったとしても。)

 

さて、顔筋体操の前フリは、ここまでです。

何の目的でするのか、よく覚えておいてくださいね。

 

 

 

 

カテゴリ:

医療