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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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今日は、本の紹介です。

昨日と今日の通勤時間と、ちょっとした空き時間で、1冊読んでしまいました。

読み終わって、子供を取り巻く環境というか、メインははやり家庭ですね。

お母さんの作る食事です。すっごい大事ですね~。これを読み終わって溝口先生の子供たちをなんとかしなければ!という思いが伝わってきて、ちょっとジーンと来ちゃいました。

DSC_0345.jpg 溝口先生の「子どもの「困った」は食事でよくなる」青春出版です。

出版されたのは、2011年9月なので、現在と中身がちょっと変わっている場合もあると思います。

栄養学というか、分子整合栄養医学ですから、一般の医学と同じで、どんどん新しく内容も更新されていくので、今と昔で、お勧めしている方法が違うなどのことはあり得ます。

なので、医学的な内容の場合は(私のブログもそうですが)、この時点での、こういう意見、と思ってください。

情報を得る場合は、いつの情報なのか、誰が言っているのか、何について言っているのか、などの状況がとても大事です。

まして、医学的なことは、個人差も多いので、全員の方にあてはまる、万能なモノというのは存在しません。

あくまでも一般論、あるいは、あてはまる方が多いと思う、という前提です。その書いた医師や学者の一意見です。

だからこそ、医療は、医師の診察が必要なわけです。

病気も持っていない、健康な方(検診で引っかからないという意味)が、ちょっと糖質を減らしたり、添加物の少ない食品を減らしたり、たんぱく質をたくさん摂ったり、というのは、問題がないことが多いですが、持病をお持ちの方、内服されている方、検診でひっかかっている方などは、個別に対応しないと、問題が起こることが、もちろんあります。

さて、話を戻します。

私、最初、この本って、学校に行くくらいの年齢の子供(小学生~高校生くらい)のことが対象の、主にADHD(多動性障害)のことがメインかと思っていました。

実際中身を読んでみると、妊娠中の話から、赤ちゃんの離乳食の開始の時期などについても触れてあります。

どうして、一定の期間は、良くないのか、とてもよくわかりました。

小学校に上がる前までの食事内容や、もちろん学校に入ってからのことも、ADHDについても触れておられますが、自閉症や小児精神病と言われる病気の中に、栄養がかなり関係している子供がいることなどにも、わかりやすく書いてあります。

すぐキレる子供たち、ラインでもめて、友達を簡単に殺す子供たち、22歳の父親がいきなり切れて、赤ちゃんを殺す、そういうニュースを聞くたびに、糖質摂り過ぎで、お肉食べてないからでは?と私は思わず思ってしまいます。

栄養が足りていれば、起こらなかった事件もあったのでは?と思わずにいられません。

この本が、絶対に正しい・これが全て!とまで言うつもりはありませんが、雑誌やテレビであまり言われない内容がたくさん書いてあって、質の悪いお菓子を食べささない・バランスのよい食事(ちゃんとお肉など動物性蛋白質をたべさせる)を子供に与えることって、すぐに実行できると思うんです。

今、子育てで何も悩んでいない、自己流でいくから、大丈夫!という方が、わざわざ読む必要はないと思いますが、

(ホントは、そういう方にこそ、読んでいただきたいと私は思います)

ちょっと悩んでいらっしゃる方、どうしてこんなに、ツライんだろう、子供にイライラしてしまう、子供が言うことをちっともきいてくれない・聞き分けがない、育てにくい、などと悩んでいらっしゃるのであれば、一度ぜひ参考までに読んでみてください。

こういう意見もあるんだ、と。

この本の中に、遅延型の食物アレルギーの話が出てきます。

確か、アメリカと日本の小児科学会は、この検査をしないように、推奨しない、という発表があったかと思います。

理由は、引っかかったもの全部を止めると、栄養失調になってしまうから、というのと、関係ないものまでひっかかっていることが多いんだかないんだったか。

この検査、日本国内ではできないので、アメリカまで検査を出さないといけませんが、もちろん自費だし、かなりお高い。。。

しかも、同じアメリカでも、各検査会社によって、結果がバラバラらしいです。。

どこで検査しても同じ、というわけではないようです。

しかも、その結果を、どう解釈するのかは、それをオーダーした、診察をした医師にかかっていますから、医師によって、どこまでの食事制限をさせるのかは、ホントにバラバラ。

検査の名前だけで、何も考えずに、「話題だから」「流行っているらしいから」「テレビでやっていたから」と安易に飛びつくのは、私は考え物だと思います。

ちなみに、当院では、導入していません。

まだ、そこまで検査したほうがいい、と私が考える患者さんに遭遇していないからです。

それを検査する前に、糖質制限やら蛋白質を摂ったりやら、胃腸の粘膜を強くしたり、腸内環境を整えたりと、いろいろすることがあると思いますから、まずは、それからしては?という感じです。

体調などお聞きしてて、やっぱり、この検査を一度したほうがいいかもしれない、となったら、導入すると思います。

でも、オーソモレキュラーでは、アレルギーという結果の出た食材がたくさんあった場合、そんなの全部制限したら、食べるものが無くなりますから、そんなことしたら、一体なんのための栄養療法なんだかわかりません。

それならそれで、別のアプローチも考えないと。

この辺は、各ドクターによって、全然考え方が違うので、遅延型アレルギーを取り扱っている医療機関なら、どこでも同じ、というわけでもないですし、栄養療法をしているクリニックによっても、医師が違えば、また違うと思います。

そういう情報に、調べもせずに飛びつく前に、ぜひ一度、この本をお読みください。

子供に関わる全ての方に、読んでいただきたい本です。